最強の組織は、プロで構成された小ユニット型組織だと考えている。
プロとは、求められる結果を出すために変化や状況に応じて自らが判断し決断、行動が出来る人。このようなプロで構成された組織をつくるためには、個人に焦点を当て、このような能力が身につくように業務をつくり、個人と向き合い教育を行う必要がある。
プロで構成された組織は、長い会議も必要なくなり、日報やタイムカードで管理する必要もなくなる。働き方改革を進めて行くためには、このような組織を目指し、社員の1人一人がプロになるための成長を支援していく必要がある。
サッカーで言えば、ジーコジャパンが目指したような、今のクラブチームで言えばレアルマドリードのようなチーム。(レアルはお金で超プロとなった選手を集めてきているチームだが。)
サッカーはいくら個人技が優れていても状況判断の良くない選手は活躍できず、チームも強くならない。
ただ現在の大企業の細かな分業型組織体制ではこのようなプロは育ちにくい。
大企業では定年を延長しているものの、役職定年は50歳と早くなり40歳から給与が頭打ちになるようなケースも増えている。
これだけ変化が激しい時代で、シャープ、東芝しかりだが、大企業でも同じ事業体で好業績のまま定年を迎えられるケースの方が少なくなっている。これから人生100年時代を迎えるなか、リスクを減らしていくには自らをプロ化していく必要がある。プロは仮にその企業を飛びだす結果になっても食べていけるはずである。
プロになるためには、プロになれる環境に身を置くことが近道となる。いくら本を読み知識を身に着けても、自ら考え行動する厳しい実戦経験が少なくては絶対にプロにはなれない。
これからの新卒や若手は、細かな分業制を引いている大企業ではなく、大企業でも若いうちから自ら考え行動する仕事環境のある企業、または上場を目指しているベンチャーや中小企業を就職先に選んだ方が良いと思う。
ぜひプロを育成し、プロで構成された組織づくりを目指して欲しい。そのような企業は、中小でもベンチャーでも強烈なプロ意識を持つ若い人材を採用出来るようになると思う。
ただ圧倒的に強いが、レアルマドリードはたまにポカのあるチーム。ジーコジャパンもアジアカップ、ワールドカップ予選は強かったが、本番で語り継がれるような大逆転負けをして散った。
長い戦いをしていく中で、従順で替えが利く選手で構成されている組織の方が、絶対に運営側はしやすい。ただしこのような組織では、大きな成長は難しいし絶対変化に弱い。
なにより、働いている個人が楽しいはずがない。
そして社員が仮にプロ組織を卒業することになっても、プロとしての力を付けさせてくれた経営者、仲間への感謝は絶対に忘れないと思う。