社員教育への投資は、企業にとって最もリターンの大きい投資である。
先日、テレビでソフトボール代表金メダルの上野選手が、小学生の女子ソフトボールチームをコーチするという企画があった。
もともとは強いチームなのだが、主力の6年生が抜け、投手は捕手から転向して2カ月、初心者の子も多くガタガタのチーム状態になっていた。
まず、投手のウォーミングアップのキャチボールをしばらくじっと見ていて、腕を回すのをももの前でまわすとアドバイス。すると見違えるようなボールがいき。今度は投球練習に入り、ボールのばらつき状態に合わせ、投げる右手をももの前にあてる。ワンバンしているのを見て、投げる瞬間にグローブを持っている左手に力を入れる等のアドバイスで、劇的に変わり驚いた。
初心者で、ボールが怖くてまったくフライをとれない子たちに、上がっているボールにグローブを持っていない右肩をボールに合わせるようにアドバイスすると、本人たちも驚くほどフライがとれるようになった。
海外のスボーツ指導は、一流の実績を出した選手ほど、小学生や中学生の育成年代の指導に係るが日本は逆になっている。
海外の超一流プロサッカーチームの名監督は、プロサッカー選手の経験がなかったりもする。
この番組で、上野選手がまずその子をしっかりと観察し、劇的に変わるアドバイスを出せることにも驚いたが、これまでどれだけ考えながら一心に取り組んできたか、超一流選手の凄さに感動を覚えた。
この番組を見ていて企業でも、新人や若手の社員教育や指導は、その企業のトップの実績を上げている社員が、一人一人をしっかり見てその人に合わせた指導を行うべきだと感じた。
上野の選手は、投手の子にストライクが入らなくなった時の自分の具体的な修正方法を教え、初心者の子には自分も最初はボールがずっと怖く、飛んでこないことを祈って守っていたと話し勇気づけていた。
あと、上野選手が終始言っていた「自信を持って」という言葉も印象に残った。
ぜひ、会社の絶対的エースに新人や若手社員の教育、指導を行う体制をつくってほしい。
また、ぜひ絶対的エースに初心者だった時のことを語ってもらい、そして自分が考え身に付けた具体的なことを伝授して欲しいと思う。
企業が成長するためには組織をつくる必要があり、そのために社員教育は最重要事項である。全力で取り組むべきだと思う。